おたくとマニアの微妙な関係
2006/03/31 22:09 随想録
おたくとマニア、ちゃんと区別がつきますか?
おたくという言葉を耳にするようになったのは、1988年の宮崎勤による幼女連続誘拐殺人事件がきっかけでした。 調べてみると、おたくという言葉の起源は、1983年に「漫画ブリッコ」誌上にて連載された「『おたく』の研究」にまでさかのぼります。 元々は、アニメなどに熱中するネクラな人達に対しての差別用語として生まれた言葉だったんですね。 現在では、差別的な意味合いは排除されて、一般的に広く利用されているのはご存知の通りです。
一方、マニアというと、オーディオなどの趣味に熱中している人達のことを指して使われます。 このマニアという言葉、実は「精神病」という意味だったんですね。 マニアックというのは、精神病を患っている人、つまり狂人のことなんです。 マニアは、躁病の医学用語としても使われているようです。
現在では、両者の区別が曖昧になってきていますが、このように言葉の由来を調べてみると、その違いがはっきりとしてきます。 おたくというのは、熱中しているという意味ではマニアと同じですが、自分が他の一般的な人達とは違っていることをはっきりと自覚しています。 そして、誰が何といおうと、自分が良ければそれで良いという、究極の自己満足を目的としています。 いや、おたくには、それしか道は残されていないのです。
人は、自分の体験を元に、外部の世界を内部に作り上げていきます。 人によって多少の違いこそあれ、同じ世界に生きている人であれば、当然似たような世界を持つことになります。 しかし、おたくの場合は、自分自身の直接的な体験ではなく、アニメなどの間接的な体験によって、世界が作られてしまっているのです。 一般的な世界観を構築することができていないために、自己満足に満足するか、仲間内でしか自分を出すことができないのです。
一方、マニアの場合は、一般的な世界観はそれなりに備えています。 そのため、自分の趣味以外のところでは、他の人達と違和感なく接することができます。 しかし、趣味の話となると、まるで人が変わったように、いかに自分がこだわっているかを披露します。 ただし、残念ながら、その自慢話は、マニア以外の人にはまったく理解できません。 なぜなら、マニアは目的と手段が完全に入れ替わっているからです。
普通の人なら音楽の話をするところを、オーディオマニアは音質の話をします。 普通の人ならストーリーについて語るところを、映画マニアは監督や俳優、カメラワークについて熱く語ります。 普通の人なら何を撮ったのかが重要なのに、写真マニアはどう撮ったのかが重要だと力説し、カメラマニアは画質や描写の違いを指摘します。
普通の人は、自分自身の体験を大切にします。 普通の人は、手段よりも目的を大切にします。 私は、おたくでもマニアでもなく、普通の人になりたいのです。







































































































































