ホワイトバランスとフィルター効果
2005/10/01 03:04 DiMAGE A1
デジカメの場合は、ホワイトバランスを設定することで、より忠実な色再現が可能になるわけですが、いちいちカスタムホワイトバランス(CWB)をとったり、プリセットのホワイトバランス(PWB)を設定するのは、何かと面倒です。 どのカメラにも、自動的にホワイトバランスを会わせてくれるオートホワイトバランス(AWB)がついていますが、残念ながら常に正確な色が期待できるわけではありません。
DiMAGE A1では、CWBボタンが独立して用意されていますが、グレーカードを持ち歩くのは面倒ですし、いい加減な白を基準にしてしまうと、かえっておかしな色になってしまいます。 PWBは、後ダイヤルで微調整ができるので、CWBを使わなくても、かなり正確な色を出すことができます。ただ、カメラのモニタは色の再現性がイマイチなので、癖をつかむ必要があります。
このように、なにかとやっかいなホワイトバランスですが、ほとんどの場面ではAWBで十分なのもまた事実です。 ただ、たまにAWBがうまく働かない時に、CWBやPWBをごちゃごちゃといじらなければならないのが、何とも面倒なんですね。 そこで思いついたのが、AWBとフィルター効果の併用です。 このページによると、デジタルエフェクトコントロールのフィルター効果は、色温度の補正にも使えるらしいのです。
そういうわけで、いろいろ設定を変えて撮り比べてみました。 光源は、色温度6,500Kの3波長型昼光色蛍光灯です。 CWBでほぼ見た目通りの色が得られたので、比較用にCWBの写真を左側に載せています。
CWB vs AWB
AWBは明らかに色がおかしいですね。 顔色が悪く、ゾンビのようになっています。 PhotoMasterで色のバランスを調べてみると、CWBでは、白いズボンがちゃんと真っ白になっていますが、AWBでは、緑が強く、赤が不足しています。
CWB vs PWB Flor+2
PWBを蛍光灯した場合、そのままでは色がおかしかったので、微調整して+2にしました。 説明書によると、昼白色蛍光灯(三波長)となっています。昼光色の蛍光灯なんですけど…。 それはともかく、さすがPWBだけあって、CWBに近い色になっています。 ただ、ちょっと色が薄いようです。
CWB vs PWB Day-3
PWBの太陽光では、微調整-3のものが一番良かったです。 仕上がりは蛍光灯+2に近いですが、わずかに黄色っぽい感じですね。 CWB、蛍光灯+2、太陽光-3の違いは、ほとんど誤差の範囲内と言ってもいいでしょう。
CWB vs AWB FIL+1
さて、いよいよフィルター効果の出番です。 やはり緑が強いのですが、赤の不足が解消されて、だいぶ顔色が良くなってきました。 フィルター効果では、青から赤への補正はできても、緑の補正はできないんですよね。
AWB vs AWB FIL+1
AWBのフィルター効果なしと比べてみると、その効果の大きさが良くわかります。 たった+1の補正ですが、この違いはなかなか侮れません。
以上のことから、厳密な色を求めるのであれば、CWBが一番ですが、PWBでも微調整を駆使すれば、かなりのところまで再現できることがわかりました。 AWBとフィルター効果の組み合わせは、今回の実験では色の再現性はいまいちでしたが、それなりに改善が見られ、何より手間がかからないのがいいですね。
普段はAWBにしておいて、その時の気分でフィルター効果を調整して、気分が乗ってきた時にはPWBやCWBを使うというのが良さそうです。