心の原動力
2005/09/10 02:20 随想録
人には、食欲、睡眠欲、性欲という三大欲求があります。 確かに、ご飯は美味しいし、寝るとスッキリするし、異性と過ごすのは気持ちの良いものです。 それらは、生命の維持や子孫の繁栄に必要な不可欠なものですが、一度満たされてしまえば、しばらくは出てこなくなります。
でも、人の心には、欲望という名の欲もあります。 金銭欲、名誉欲、独占欲、支配欲、などなど。 これらは、なくても生きていけますが、決して満たされることはなく、いつまでも同じものを追い求めます。
また、意欲というのもあります。 新しい発見をしたり褒められたりすると、好奇心が芽生えたり興味が湧いたりして、もっと頑張ろう、という気持ちになります。 意欲は、出たり出なかったりと気まぐれですが、あるととても前向きになり、常に新しいことを目指します。
このように、人にはたくさんの欲があるわけですが、一体どれから満たしていけばいいのか、ついつい迷ってしまいます。 うまくいけば、とても充実した人生を送れますが、下手をすると、何をやってもうまくいかずに、先が見えなくなってしまいます。 さて、どうしたものでしょう。
生理的な欲求というのは、身体が求めているものですから、できるだけ注意深く観察して、素直にその要求に従うのが一番です。 胃がもたれているのなら、脂っこいものは避けるべきですし、うとうとして頭が回らない時は、一度休憩して仮眠をとるべきです。 もちろん、好きな人ができたら、あれこれ考えずに気持ちを伝えるべきなのです。
しかし、欲望となると、そう簡単にはいきません。 欲望は、人を突き動かす大きな力を持っていますが、その力があまりに大きいため、力をうまく制御しないと破滅を招くことになります。 というのも、欲望は常に成長を行うフィードフォワード回路になっているために、いつか必ず限界がくるからです。 ですから、その限界がくる前に、適当なところで抑制力を働かせて、フィードバック回路に変更しなければなりません。
意欲は、実現可能な目標を立てることによって生まれます。 新しい発見をすると、他の条件でも通用するかどうか試してみたくなります。 それがうまくいくと、今度はそれをどう利用できるかを考えます。 そして、最後にはその発見を多くの人に分け与えたくなるのです。 欲望と異なるのは、目標という段階ごとに成長していき、到達点となる最終目標が定められている点です。
もし、あなたが何らかの体調不良を感じているなら、それは体の要求にちゃんと耳を傾けていないからです。 もし、何をやっても満足できないのであれば、それは心が欲望に支配されてしまっているからです。 もし、自分が何をしたいのかわからないのであれば、それは適切な目標が設定されていないからです。
もちろん、欲を満たすために何をやっても良いというわけではありません。 物理的に不可能な場合もあれば、社会的に認められないこともあります。 実現可能な欲をうまく選り分けて、欲を満たしていかなければなりません。 そして、それを行うのが、理性なのです。
欲は、生きていくための、心の原動力です。 うまく理性を働かせて、上手に生きていきたいものですね。





