小さい奴と、大きい奴

百円ショップに行ったついでに、アメフラシを撮りに行ってきました。

ちょうど、運良く干潮です。 おお、たくさんいるね〜。 干上がった場所に取り残された奴、すでに干上がって死骸となってる奴を横目で見ながら、水面を覗き込みます。 すると、小振りな奴を発見。 早速、手に取ってみると、これが手のひらサイズ。 小さい死骸はたくさん見たけど、生きた奴を手に取るのは初めてかも。 記念撮影が終わって、他の場所を探してみると、で、でかい! 今まで見たこともないような、巨大な奴がいましたよ!

恐る恐る、大きい奴を手に取ってみたんですが、あまりに大き過ぎて、ぬるりと落っことしてしまいました。 ああ、しまった!ごめんね〜。 コンクリートにぶつかって、そのままずるりと水の中へと落ちていきました。 ちゃんと生きてるよね?と心配しながら覗き込むと、な、なんと!紫色の液体が出てきたではありませんか! やや、こいつは今までの奴とは違うぞ! そう、今までのは、白い液体を出すアマクサアメフラシだったんですが、こいつは本家本元の、正真正銘のアメフラシです。

これまで、たくさんのアメフラシを撮ってきましたが、液を出すところを見たのはこれで2回目です。 最初に見た時は、釣りに来ていた若者が、暇つぶしにアメフラシを釣っていた時です。 釣り上げられたアメフラシから針を抜こうとした時、勢い良く白い液体がぴゅっと飛び出したんです。 この白い液体がきっかけで、これがただのウミウシじゃなくて、ただのアメフラシじゃなくて、アマクサアメフラシだということがわかったんですが、それ以後、どれだけ刺激しても、ぜんぜん液体を出してくれなかったんですよね。 どうやら、結構強い刺激が必要なようです。

今度は、落っことさないように、慎重に持ち上げます。お、重い! そして、夕日に向かって「捕ったど〜!」。 でも、重たいのですぐに降ろします。 また落っことしたら悪いですからね。 それにしても、大きい! 表面はぬるぬるのつるつるなんですが、びっしりと入ったウロコ模様に、ゴワゴワと固そうな印象を受けます。 もしかしたら、こいつはここの主なのかも? 角も口髭も、どことなく立派に見えます。 ただ、さっき落っことしたせいか、ちょっと不機嫌そうにも見えます。

ふと思いついて、さっきの小さな奴を隣に並べてみました。 あはは、もう冗談みたいに大きさが違います。 親子というにも無理があるくらいです。 大きい奴の上に小さい奴を乗せると、その大きさの違いが良くわかります。 大きい奴も、小さい奴も、仲良く元気に暮らせよ。 今日は悪いことしちゃったけど、また遊んでくれよな。 海に戻してやると、まるで何もなかったかのように、のんびりと動き始めました。 本当は、内心冷や汗タラタラだったのかもしれないけど、そういうのんびりしたところが好きだなぁ。

短い時間でしたが、とっても楽しいアメフラシ観察でした。

ぬるぬる

ぬるぬるして、つやつやして、透き通ってるんだな。

hello (again)

やぁ、一年ぶりだね。元気にしてたかい?

アメフラシよ、永遠に

そろそろ、このアメフラシ・シリーズを、一旦終了しようと思います。

もっともっと、この愛らしい生き物のことを知りたいという気持ちは、今も変わりません。 むしろ、その気持ちはどんどん大きくなっています。 ただ、少し気持ちが大きくなり過ぎたようです。 これまでは、ずっと写真を撮るだけで済んでいましたが、今回、直接手で触れたということは、これからは、彼らに対して、自分の行動に責任を持たなければならない、ということでもあります。

また、最初にアメフラシを発見してから、これまでに撮った写真の枚数は、1,600枚を超えます。 とりあえず、やれることはやり尽くした感もあるし、そろそろ、これまでの活動をじっくりと見直す時期なんじゃないか。 そんな気がしています。 今はただ、実物のアメフラシに感動するばかりで、果たして、その感動が写真に込められているかというと、とても写し込めてないように思うのです。

私がどうして、アメフラシに惚れてしまったのか、その理由はまだわかりません。 でも、彼らからは、実にたくさんのことを学びました。 もちろん、彼ら自身のことも数多く学びましたが、それ以上に、学ぶとはどういうことかということを、肌で実感できたように思います。 これまでの一連の記事から、少しでも、学ぶことの楽しさや面白さを感じて、自分もやってみたい、なんて思ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

これから始まる、アメフラシ・シリーズ第二章を、楽しみにしていてくださいね。

愛の絆は強いのだ

ついに、交尾中のアメフラシを見つけましたよ。

潮が完全に引いてしまう前に、海藻の隙間を注意深く覗いていきます。 すると、あちこちにアメフラシの背中が見えるので、そっと海藻をのけて、様子をうかがいます。 そんなことを繰り返していると、二匹のアメフラシの姿を見つけました。 一匹は丸くうずくまり、もう一匹が、にゅっと首を伸ばして、その上に覆い被さっています。 こ、これは、もしかして、交尾の真っ最中じゃないのか。

しばらく、じっと様子を見ていましたが、両者まったく動く気配はなく、ひたすらじっとしています。 しびれを切らして、申し訳なく思いつつ、上のアメフラシをつかんで引き離そうとすると、ピッタリくっついて離れません。 やっぱり、交尾中だったようです。 一見すると、後背位、いわゆるバックの体勢のように見えますが、男性器は首の横に、女性器は背中についているので、微妙に状況が異なります。

人間の場合は、腰を前後左右上下に激しく動かして、積極的に快感を得ようと奮戦するわけですが、アメフラシの場合は、本当に気持ち良いの?と聞きたくなるくらい、じっとして動きません。 でも、人間にもポリネシアン・セックスという、挿入したままじっとしているという伝統性技があるので、やはり、彼らなりに快感を得ているんでしょうね。 その証拠に、メス役のアメフラシに「良いところなんだから邪魔しないでよ」と睨まれてしまいました。

人間との一番の違いは、その結合力の強さですね。 オス役のチン力が凄いのか、それともメス役のマン力が強いのか。 その強さは、オス役を引っ張り上げても、メス役がそのままぶら下がってついてきてしまうくらいです。 それでも、さすがに重さに耐えきれなかったのか、しばらくすると、メス役がぽとりと落ちてしまいました。 その時、白くて口髭よりも長い男性器を見ることができましたが、すぐにしゅるしゅると引っ込めてしまいました。

せっかくのお楽しみを邪魔してしまって、本当にごめんなさいね。

スキンシップを楽しもう

デートを重ねた後に、したくなることって、な〜んだ?

そう、答は、スキンシップです。 今日の目標は、アメフラシとスキンシップを図ることです。 これまで、手と手が触れ合ったり、なんてことはあったんですが、ドキドキしまくりのおっかなびっくりで、すぐに手を引っ込めてしまってたんですよね。 でも、今日は覚悟を決めて、ガッチリと手を握ってやろうじゃないか、というわけです。 そして、できることなら、肌と肌とを重ね合わせてみたい…。

午前中にちょいとした用事を済ませてから、急いで海へ向かうと、ちょうど満潮でした。 階段に腰掛けて、弁当を食べながら、潮が引くのを待ちます 食べ終わってから海を覗いてみると、若いアメフラシが、モリモリと海草を食べています。 そ〜っと手を伸ばしてみますが、あとちょっとのところで届きません。 それは、二人の心理的な距離の差なのか。さあ、勇気を出して、もっと手を伸ばすんだ。 あっ、しまった!レンズが濡れちゃった!

慌ててレンズを拭いてから、今度は足を使ってすくい上げる作戦に変更しました。 足先でちょんちょんとつついて、丸くなったところを足の甲ですくい上げます。 そして、そのボールを高々と掲げて「採ったど〜!」。 しばらくすると、恐る恐る顔を出して、少しずつ体の力を抜いて、元の姿に戻っていきました。 そこで、桜島を背景に記念撮影。 でも、ちょっと体が伸び過ぎ〜。

その体は、吸い付くような餅肌で、グミのような弾力がありました。 裏からはヌルヌルの粘液が出ていて、とても滑りやすかったです。 最初のうちは、そのヌルヌルに抵抗があったんですが、慣れてくると、これがまた気持ちいいんですよ。 足の上を這わせたりしたら、病み付きになっちゃうかも。 いじられることに慣れてきたのか、彼の体はどんどん伸びていきます。 ここだけ読んだら、安っぽいエロ小説みたいですね。

背中には半透明の薄い貝殻をしょっていて、先祖が巻貝だったことを伝えています。 触ってみると、薄いプラスチックのようで、強めに押さえるとペコペコと反り返る感触がありました。 ヒレの中に隠れている内臓のようなものは、実はエラだったんですよ。 最後に、二人並んで記念撮影。 満面の笑みと、逃げ出そうと必死な様子の対比が面白いですね。 だいぶお疲れだったようで、海に戻してもしばらくはプカプカと浮いたままでした。 ごめんね〜。

スキンシップに付き合ってくれたアメフラシくん、どうもありがとうございました!

再生

一つの生が終わり、多くの生が育っていく。

アメフラシから性を学ぶ

この記事以来、「ヌード写真」を求めてやってくる人が急に増えました。

まあ、気持ちはわからなくもないですが、こうしつこいと、うんざりしてくるのも事実。 でも、素っ裸のお姉ちゃんが浜辺で寝そべってるのを期待したら、素っ裸のアメフラシが浜辺で寝そべってるんだから、皆さんきっと驚いていることでしょう。あはは、ざまあみろ。 でも、中には本気で「ヌード写真の本質」を求めている人もいるかもしれず、そういう人達は、アメフラシのヌード写真をどう受けとめたんだろうかと、ちょっと気になるところではあります。

それはともかく、昨日はついに、二匹のアメフラシが海藻布団の中で、仲睦まじく寄り添っている場面を発見しました。 といっても、交尾の真っ最中というわけじゃないようですが、とても幸せそうです。 でも、お尻から糞が出て、もう一方の顔にかかっています。スカトロです。 でも、糞の色が緑なので、全然汚らしさは感じません。 ちなみに、アメフラシは両性具有の雌雄同体で、何匹かで輪になって交尾するそうですよ。 つまり、ホモで、レズで、輪姦ですね。

こうしてみると、人間界の異常性欲というのは、アメフラシ界では正常性欲だったりするわけです。 この正常と異常の違いはどこから来るかというと、産まれてくる子供の扱いが違うからです。 アメフラシは小さなプランクトンとして産まれるので、すぐに魚達に食べられてしまいます。 だから、物量作戦に出る必要があって、性にもおおらかなわけですね。 一方、人間の場合は、産むことよりも育てることの方が大仕事なので、性に対しても責任を負うことになるわけです。

そう考えると、今時の人達が、現実の女性よりも、ビデオやアニメ、アイドルやキャンギャルなどの、理想化された存在に心酔してしまうのも、わかるような気がします。 性欲は人並みにあるんだけど、生身の人間を相手にするには、いろいろと面倒臭い。 そんなに無理しなくても、世の中にはもっと手軽で安全な「性の娯楽」があるわけだし、そうした商品化されたファンタジーの世界の方が、ずっと住み心地が良いわけです。

もちろん、そういう世界は楽しいし、経済効果も高いので、それはそれで結構なことです。 現実の性の戦いに敗れた人達にとっては、それらが自分の欲求を満たすための重要な役割を果たすこともあるでしょう。 やる気満々の若い人達であれば、それらをおかずにすることはあっても、主食にすることはないでしょう。 でも、小さい頃からそういう世界に慣れ親しんで来た人達からは、現実の性を学ぶ機会を失わせる危険性があるかもしれません。

そういう内気な人には、親や周りの人が、ちゃんとフォローしてあげた方がいいんでしょうね。

死への階段と海底都市

今日は海へと向かう途中で、悲しいことに気づいてしまいました。

いつも階段で撮っているアメフラシ達。 もしかしたら、産卵を終えて力尽き、静かに死を待っているんじゃないかと。 いつもの場所に向かうと、満潮を過ぎて、少しずつ潮が引いているところでした。 まだ堤防のコンクリートが濡れているので、満潮時からどれだけ水位が下がっているのかが一目で分かります。 階段では、上段の方から少しずつ乾き始めていました。

上段では、昨日と全く同じ位置に、アメフラシがいました。 その皮膚は黒ずみ、一匹のハエがブンブンと飛び回っていました。 彼は、死んでいました。 良く見ると、階段の隅の方でも、何匹かが同じようにして死んでいます。 いままで、呑気な奴らだと笑って見ていましたが、もしかしたら、とんでもない考え違いをしていたのかもしれません。 彼らは、彼らの世界で、必死に生きていたのです。

中段に目をやると、ここにも、ほとんど動かないアメフラシがいました。 上半身が黒ずみ、下半身のヒレはだらりと垂れ下がり、内臓が丸見えになっています。 それでも、その皮膚にはわずかに水気があり、生気がありました。 恐らく、力のない者は、満潮時に潮に流されて、そのまま上段に取り残されてしまうのでしょう。 彼は、かろうじてまだ生きていますが、明日はきっと、さらに上の段へと昇っていることでしょう。

生き物の生の儚さを痛感して、思わず泣きそうになります。 でも待てよ、ということは、下段にはもっと若くて活きのいい連中がいるはずだ。 そう思って下の段を見た時、私は目を疑いました。 何とそこには、幻想的で美しい、海藻の海底都市が広がっていたのです。 これまで、干潮の時ばかり来ていたので、こんな素晴らしい世界があったとは、まったく気がつきませんでした。

その海底都市では、立ち並ぶ海藻のビル群を縫うように、若いアメフラシが、元気に、気持ち良さそうに泳いでいました。 ああそうか、これが彼らの本来の姿だったんだ! 潮が引いてくるにつれて、海底都市の天井は少しずつ低くなっていきます。 そして、潮が完全に引いてしまった時、彼らは、海藻を布団にして、すやすやと眠りにつくのです。 やがて潮が満ちるのを夢見ながら。

今日は、生命の神秘を実感した一日でした。

卵の色に関する考察

昨日は、アメフラシの卵を中心に撮ってきました。

先日、立派な卵を見つけたので、もしかしたら他にもあるかもしれない、ということで、防波堤内をぐるりと一周してきました。 すると、あるわあるわ、もうお腹いっぱいになるくらいに、あちこちに卵が産みつけられていました。 とにかく、卵を見つたら、手当り次第に写真を撮っていったんですが、どうも卵には色の違いがあるようだ、ということがわかってきました。

まるでパスタやソース焼そばみたいな濃い褐色のものもあれば、ラーメンや塩焼きそばのような白いものもあります。 中には、色の違うものが混ざり合ってたり、ムラがあるものもあります。 そういえば、これまで見てきたアメフラシにも、色白のものもいれば、色黒のものもいました。 もしかしたら、卵の色と体の色に、何らかの関連があるのかもしれません。 こ、これは大発見かも?

割合としては、白いものが多くて、全体の7割くらいでしょうか。 でも、白と褐色の2種類にきっちり分かれているかというと、そういうわけでもなくて、同じ卵の中でも色の違いがあったりします。 中には、白と褐色と中間のピンクっぽいのもあったりして、カルボナーラとナポリタンとタラコスパがひとつの皿に盛られているようでした。 もしかして、アメフラシはパスタが大好物なんでしょうか。

夜になって、バイト先の後輩に、温泉に浸かりながら、今日のことを話していたら、ふとあることに思い当たりました。 鶏の卵には、黄身と白身がある。 黄身は栄養タンクみたいなもので、実は白身が本体だ。 卵が成長するにつれて、黄身の栄養が消費されてしぼんでくる。 卵の鮮度を見るには、黄身の盛り上がりを見れば良い。 ということは、アメフラシの卵の色の違いは、もしかしたら、この黄身の消費によるものじゃないのか?

本当は、白身が本体というのは間違いで、黄身の一部に胚があって、これが本体なわけですが、黄身の大部分が栄養分であることに違いはありません。 もし、この仮説が正しければ、褐色の色の濃い卵は、生まれたばかりの卵で、色の白い卵は、孵化寸前の卵ということになります。 でも、アメフラシ自体は褐色なので、逆に体ができてくるにつれて褐色になるんじゃないか、ということも考えられます。

これは、卵の定点観測をする価値がありそうですね!

命の紐

それは、複雑に絡み合い、繋がっていく。

春の新色

今年の春の新色は、アメフラシ・グリーンで決まりよ!

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